くるみ割り人形

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TaktOp(タクトオーパス)に登場するキャラクター「」について。

基本情報

楽曲
「」
声優
洲崎 綾(すざき あや)
フレーバーテキスト
戦うことを使命と捉えている、軍人気質な頑張り屋。いかなる苦境でも笑顔を絶やさず、常に明るくあろうと心掛けている。畑いじりがすきで、手間暇かけて育てている作物の成長を楽しみにしている。

元ネタ

とは

はチャイコフスキーが作曲したバレエ作品。同じくチャイコフスキーが手掛けた「白鳥の湖」「眠れる森の美女」とともに「三大バレエ」と呼ばれている。

創作の経緯・初演当時の様子

1890年1月、ロシアのサンクトペテルブルクにある劇場で、チャイコフスキーの作ったバレエ「眠れる森の美女」が上演され成功を収めた。劇場支配人は同年2月に早速チャイコフスキーへ次回作を依頼した。チャイコフスキーは外国での演奏旅行の合間に作曲を進めたが、作曲は難航し、締め切りを延期してほしいという旨を手紙で出している。何とか1892年3月に完成し、キャストの振り付け稽古も終わって、同年12月にロシアの同劇場でお披露目された。主人公の少女役には舞踏学校に通う12歳の生徒を起用した。公演はなかなかに好評であり、その後も何回か上演された。

物語の内容

プロローグ

ある国でかわいい王子が産まれ、それを祝う豪華なパーティーが行われた。しかし、パーティの最中に誰かが誤ってネズミの女王を踏みつけてしまう。怒った女王は産まれたばかりの王子に呪いをかけ、にしてしまった。

第1幕

クリスマスイヴの夜、少女クララの家の大広間では、最大なクリスマスパーティーが開かれていた。広間には大きなクリスマスツリーがあり、そこにクララの伯父がやってきた。伯父は子供たちにプレゼントを上げたが、何故かクララがもらったのは可愛くないだった。だが、心優しいクララは、彼女の兄弟や友達がからかっても、そのを大切に扱った。

パーティーが終わり、みんなが寝静まった深夜、時計の鐘の音ともにクララの体は人形サイズまで小さくなってしまう。クララの部屋にはネズミの王様とその軍隊がやってきて、たちと戦い始めた。息をのんで見守っていたクララだが、負けそうなたちを見ていられず、自分がはいていたスリッパをネズミの王様に投げつけ、たちを救った。はクララにお礼を言うと、いつの間にか美しい王子へと姿を変え、クララを自分の国へと案内した。

第2幕

クララはお菓子の国に案内され、金平糖の精や、チョコレートの精、コーヒーの精などに歓待された。華やかなお菓子の国での時間を満喫したクララは、家族が寝ている間に、王子に送られて帰宅する。クララは、自分の冒険は夢ではなかったことを確信しながら眠りにつくのであった。

イラストレーションノベル

のイラストレーションノベル

「くるみ割り小隊! 整列であります!」 ここはベルリン・シンフォニカにある音楽堂。音楽堂とは、自分たちムジカートやコンダクターが住む拠点の中にある、音楽ホールであります。クリスマスまで、あと少し。ウキウキ気分で音楽堂をクリスマス仕様に飾りつけておりましたが、ふと思い立って、自慢のたちを舞台の中央に並べ、号令をかけてみた次第であります!数えて、20〜30体ほどになるでしょうか。彼らは、世界各国を転戦するなかで買い集めた、選りすぐりの精鋭たち。 「この子はロンドン、この子はベルギー。この子はローマ。この子はニューヨークでわが小隊に招き入れたであります!」 壮観な眺めに、ついニマニマと笑みが漏れてしまう自分であります。赤や青、緑や金色など、色とりどりの軍服。円筒形のシャコー帽。もじゃもじゃの髪とおしゃれなチョビヒゲ。みな、きりりと引き締まった精悍な顔つきをしていて、上官である自分も誇り高い気分であります!続けて、任務の確認。びしっと、愛すべき小隊に指を突きつけます。 「貴方がたの使命は、このベルリン・シンフォニカの仲間たちを驚かせ、楽しませ、最高のクリスマスを演出することであーる!」このベルリン・シンフォニカには、名だたる名曲の譜を身に宿すムジカートは数いれど、クリスマスの主役がこのであることに異論を挟む者はいないでしょう!は、クリスマスにつきもの。チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽としての『』も、クリスマスを題材にした物語。まさに冬の主役であります! 「ふん、ふふふふん、ふん、ふんふんふーん♪」 号令が決まったことに満足すると、再び音楽堂の飾りつけにとりかかります。自分は普段、勤勉かつ忠実な兵士であると自負しておりますが、そんな自分が一年でもっとも楽しみにしているのがクリスマス。飾りつけに力が入るのも当然というものであります! 「自分の、この華麗でハイセンスなクリスマスデコレーションを見れば、みんなの士気が高まること間違いなしであります!」 くふふふ……。つい鼻がぷくぷくと膨らんでしまうであります。 「『運命』殿はビックリして腰を抜かすかも? 『ワルキューレ』殿は感激に涙を流し、『カルメン』殿は自分のことをいい子いい子してくれるに違いないであります!」 くふふふ……。やっぱりクリスマスは最高であります! 「……ですが」 自分は作業の手を止め、デコレーション途中のモミの木を見上げます。なにかが足りない……。デコレーションしたモミの木に、なにかが足りない気がするのです。綿の雪を足しましょうか?それとも、キラキラのモールを増やす?どれも、ちょっと違う気がするのであります……。ふと、自分は舞台の上のくるみ割り小隊を振り返ります。 「彼らをモミの木にぶら下げてみましょうか……?」 わが自慢の小隊なら、この窮地を救ってくれるかもしれません。世界各国で活躍した、誇り高き彼らなら、なんとかしてくれるかもと、一抹の期待を抱きます。そう考えたところで、自分の背中に声がかかります。 「なにしてるのかな。出発の準備は終わったの?」「これは……『ボレロ』殿」 『ボレロ』殿はベルリン・シンフォニカ所属のムジカート。華奢な体でありながら、動きは俊敏、頭脳は明晰。見た目も凛々しく、大変頼もしいムジカートであります。いつも通りの淡白な口調で、彼女は言います。 「天候の都合で出発時間が早まるらしい。急いだほうがいい」 出発時間——そうなのです。今日、自分や『ボレロ』殿は、D2との戦いの最前線へと発つ予定なのです。比較的情勢の安定している、ここベルリンから、戦火烈々たるオーストリアへ。 「りょ、了解でありますっ!」 敬礼をしてそう答えますが、まだ飾りつけ途中の音楽堂を横目で見やり、自分はきっと未練がましいような顔をしたのでしょう。『ボレロ』殿がこう言うのです。 「……クリスマスまでには戻って来れるよ。きっと」 彼女は、あまり感情を表に出すタイプではありません。ですが冷たいわけではなく、情に疎いわけでもありません。自分の表情の変化を察知し、思うところを推し量ってくれるくらいには。 「クリスマスまでには……でありますか」 クリスマスまでには——。そう言って戻らなかった人たちを、自分は沢山知っています。古参兵である自分は、ほかのムジカートよりも少しだけ多くの戦いを経験してきたのです。今回の遠征には、自分たち数人のムジカートとコンダクターのほか、二人の若い見習いコンダクターがいると聞いていました。兵士にとって、戦歴は年齢であります。いくら屈強でも、実年齢を重ねていても、経験不足の兵士は赤子と同じなのです。もし彼らが、戦場で不幸に見舞われたとしたら……。知らず、ぐっと拳に力が入ります。 「『ボレロ』殿……。自分はこのクリスマスの飾りつけを、彼らに、若い見習いコンダクターたちに見せてあげたいと思っております……」 せめて、ここまで飾りつけた音楽堂を彼らに見せて、少し早めのクリスマス気分を味わうことはできます。未完成なのは口惜しいでありますが、それでも、これが見られなくなるよりは。すると彼女は、なんだか不思議そうな表情で、なんのこともないように言うのです。 「見られるでしょ」 ハッとしました。まるで、噴煙と砂埃が立ち込める戦場で、空から一筋の光が差したような。自分は、どうしてこんなにも悲観的だったのでしょう。当の彼女は、こんな気弱な自分の心中まで見透かして言ったつもりではなかったかもしれません。ですが、言う通りなのであります。オーストリアへ遠征し、D2を滞りなく殲滅し、またここへ帰ってくれば良いのです。みんな、揃って。経験の浅い見習いコンダクターがいるのなら、経験あるムジカートである自分が守れば良いのです。そして、クリスマスまでにはこの飾りつけを完成させて、一緒にクリスマスを祝えば、それで万々歳なのであります! 「じゃ、行くよ。遅れないで」「……はっ! 自分もすぐに行くであります!」 『ボレロ』殿は迷いのない足取りで、音楽堂を出ていきます。自分はその背中に向けて、彼女の足音が聞こえなくなるまで、敬礼を維持し続けました。右手を下ろすと、舞台上のくるみ割り小隊に視線をやります。 「ふがいないところをお見せしました。これで上官とは、ちゃんちゃらおかしいであります!」 今度は、くるみ割り小隊に向けて、敬礼!両足を揃え、背筋をビシッと伸ばします!こんな調子では、精鋭揃いのくるみ割り小隊にそっぽを向かれてしまうであります。自分は大きく息を吸い、朗々と発声します。 「自分に課せられた任務は大きく二つ!一つ! オーストリアで完全勝利を手にすること!二つ! またここへ戻り、みんなでクリスマスを盛大に祝うこと!」 D2の脅威は痛いほど知っています。簡単には勝てない相手だと、誰よりも知っているつもりであります。ですが、クリスマスには奇跡が起こるもの。そして奇跡を起こすのは、その夜の主役に違いないのです! 「自分は、楽しい楽しいクリスマスの主役、『』であります!」 みんなで祝うクリスマス。その光景を思い浮かべると、つい顔がほころびます。舞台上の小隊を眺めると、自分と同じように笑顔を湛えているように見えました。(原案:高羽 彩 小説:石原 宙 イラスト:osa)

キャラクターPV

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