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木星

木星

TaktOp(タクトオーパス)の登場キャラクター「木星」について。

基本情報

楽曲
組曲「惑星」Op.32より第4曲「木星」
声優
依田 菜津(よりた なつ)
フレーバーテキスト
元気が服着て歩いているような少女。良く笑い良く怒る。距離感がいい意味で近く、接しやすい存在。言葉遣いや扱いは乱暴だが、それは誰に対しても同じで、誰が相手でも彼女の振る舞いは変わらない。

元ネタ

木星は組曲「惑星」の中の一曲

イギリスの作曲家グスターヴ・ホルストによって作られた管弦組曲「惑星」は7楽章から構成されており、木星はその中の1楽章である。全楽章を通した演奏時間は約50分程度。この作品は占星術を意識しており、それぞれの曲に「~をもたらす者」という副題がついている。

・火星【戦争をもたらす者】

・金星【平和をもたらす者】

・水星【翼のある使者】

・木星【快楽をもたらす者】

・土星【老いをもたらす者】

・天王星【魔術師】

・海王星【神秘主義者】

腕の神経炎に悩まされながら作曲

ホルストはシェーンベルグの「5つの管弦楽曲」に着想を得て「7つの管弦楽曲」を作り始めた。1914~1916年の3年をかけて曲を作成。曲名は当時太陽系の惑星として知られていた8つの天体のうち、地球を除いた7つの天体(水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星)の名前を付けた。当初はピアノデュオのための曲だったが、1917年になってオルガンや声楽を含む管弦楽のためにオーケストラ化を始める。ホルストは生涯に渡り腕の神経炎に悩まされていたため、ホルストが勤めていた女学校音楽家の同僚や学生に筆記を手伝ってもらいリメイクは完成した。

初めての演奏はぼちぼちの評価

1920年10月10日にバーミンガムにて公式の初演が行われた。「海王星」での歌詞のない女声合唱など斬新な箇所が所々にあり、聴衆は驚いていた。組曲はなかなかの成功を収めた。だが、ドビュッシーの「海」やストラヴィンスキーの「春の祭典」など意欲的な作品が同時代に多く産まれたため、「惑星」はホルストの名とともに急速に忘れ去られてしまう。…….すっかり忘れ去られていた「惑星」だが、1961年にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会で紹介されると爆発的にヒットし、それ以後、管弦楽曲でトップクラスに人気のある作品として知られるようになった。

実は本人はこの作品をあまり気に入っていなかった

惑星はホルストの代表作であり、「木星」中間部の旋律はイギリスの愛国歌にもなっている。しかし、当の本人はこれを佳作の一つとして数えておらず、ほかの作品が惑星の陰に隠れてしまうことに不満を漏らしていた。

イラストレーションノベル

木星のイラストレーションノベル

……なにもかもぶっとばしたくなる時ってのが、誰にでもあると思う。道で蹴つまづいた石とか、ムカつくやつの顔とか、つまんない義務とか責任とか?知らないけど、ムジカートじゃなくたって、きっとそうなんだ。無人のトレーニング室に響くのは、あたしの拳が繰り返し空を切る音。そして、キュッキュッと鋭く鳴る靴音と、荒い呼吸音。「……!」脳内でイメージした仮想敵が、伸び上がるようにして襲ってきた。あたしの身長の、倍ほどもあるやつだ。すかさず低いキックで迎撃する。怯んだ隙に素早く背後に回り、両腕でがっちりとその巨体を掴み込んだ。そして。「だりゃぁぁああああああっ!」渾身のバックドロップをお見舞いしてやった。「ハァ……ハァ……」あたしは立ち上がり、湧き出る額の汗を腕で拭い、呼吸を落ち着ける。泥臭い打撃からの無茶な投げ技。こんな出鱈目な戦い方はムジカートらしくないって、『ワルキューレ』あたりに怒られるかもね。あいつはおカタいやつだから。けど、あたしは、“なにもかもぶっとばす力”がほしいんだ。がむしゃらなトレーニングを続けて、気づけば3時間もたってた。体中が汗でベタつく。筋肉が悲鳴を上げてる。頭だってボーッとしてきた。あたしはなんで、こんなにも鍛えてんだろ。体組織がある程度固定化されてるムジカートに、筋トレはあんまり意味がないって聞いた。ムジカートの訓練ってのは、あくまで動きを身体に覚えさせるためのもの。体に負荷をかけたって、思ったほどの効果はない。けど、こうして無我夢中で鍛えてる間は、なんだか安心できるんだ。「わっ……ととっ……」足がもつれて、尻餅をついて、そのまま仰向けに倒れてしまった。無音の部屋に、自分の息遣いだけが聞こえる。床が冷たくて気持ちがいい。あたしは大の字になって、ボンヤリと昔のことを思い出した。戦闘能力が高いとか、肉体派だって、言われてきた。確かに多くの戦果も上げてきた。けど、記憶に残ってるのは負け戦ばっかりだ。そう簡単に死ねない体ってのも難儀なもんで。イヤな記憶ばっかりが、どんどん溜まってく。目を閉じると、助けられなかった沢山の人達の顔が浮かんでは消えてく。たとえば、かつて一緒に戦ったコンダクターとか。気弱だけど、世話焼きで、気持ちのいいやつだった。——木星はさ、強いけどだらしないわよね。ほら、洗濯物たたんどいた。——勝手なことすんなよ! あんたはあたしのお母さんか!?そんなやりとりをよくしてた。綺麗な指をしてて、小さい頃はピアニストになりたかったんだって、照れくさそうに言ってた。曲がったことが嫌いで、困ってるやつを放っておけなくて、だからコンダクターになったんだろうな。——木星はみんなのヒーローなの。だからちゃんとしててほしくて。——あたしがヒーロー? ガラじゃないってそんなの。——ううん。ヒーロー。だって、辛い毎日や恐ろしい敵を一撃でふっとばしてくれるんだもの。やけにあたしを買いかぶって。あいつとなら、強い絆を結んで、どこまでも一緒に戦える——そう思ってたのに。——ごめんなさい、木星。ドジしちゃった……——何してんだよ! あたしの後ろにいろって言っただろ!——遠くから、音が聞こえたの。木星の方に向かって、怖くて、気持ちの悪い音が……——だからってあんたがあたしをかばうなよ! あんたはただの人間だろ!コンダクターの、胸に空いた傷口から、血が流れて止まらない。せっかくの綺麗な指が、赤黒く染まってく。なのに、それとは対照的に、みるみる癒えていくあたしの傷。——止まれよ! くそっ! なんで血が止まらないんだ!——息をしろってバカ! 早く! 間に合わなくなるぞ!?——ちくしょう! なんであんたは人間なんだ!? なんであたしはムジカートなんだ!?……。気づくと、目尻が少し濡れているのがわかって、あわてて手の甲で拭った。変なトコから汗が出た。らしくねー。あたしは、ぐっと拳を握って、立ち上がった。考えてる場合か。思い出してる場合か。あたしは、再びトレーニングを始めた。この肉体がある限り戦い続ける。敵が現れたらぶっとばす。それだけのことだろ。……それだけのことさ。ふと思う。あの時コンダクターに、こちらから“契約”を申し出ていたら、結果は変わっていただろうか。“契約”はコンダクターから請うもの——そんな慣習、ぶっとばして。よく分からない。考えるのは性に合わない。「あー、もう! こうじゃないだろ、あたしは!」そうだ。もうすぐクリスマス。大騒ぎできるぞとか、美味いものがたらふく食えるぞ、とか、あたしはそういうことばっか言ってるやつだっただろ。よし、たまには『ワルキューレ』でも誘って出かけるか!間違いなく喧嘩するけど!あたしはトレーニングの強度を徐々に上げた。鼓動がスピードを増していく。また新しいコンダクターに出会ったら、とりあえず訓練に付き合ってもらいますか。んで、肩でも組んでさ、一緒に飯を食おう。みんなみんな、あたしに任せとけよ。木星さんは強いんだ。孤独も、憂鬱も、人類の敵だって、みんなまとめて、あたしがぶっとばしてやるよ!(原案:高羽 彩 小説:石原 宙 イラスト:saraki)

キャラクターPV